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福島 弘之
分光研究, 39(2), p.102 - 109, 1990/00
イオン交換法によるリチウム同位体の分離濃縮の研究において、迅速かつ高精度のリチウム同位体比測定法として、中空陰極管を励起源とする発光分光分析法の適用を検討した。同位体測定には、同位体波長シフトをもつ670.8nmのスペクトル線を用いた。試作した中空陰極管では、陰極金属面をテフロンで絶縁等を行い、金属スパッターやそれら元素のイオン化効果を防いだことによって、長時間にわたり極めて安定したスペクトル線強度を得ることができた。さらに、明るさのあるファブリペロ干渉計を高分解能分光器として用い、そして、パルス放電を行うことにより、試料量と放電電流を少なくすることができ、線幅の増大が避けられた。これらによって、微少波長差の同位体スペクトル線を分離することができ、SN比が改善された。再現精度は天然組織レベルで変動係数0.06%である。測定値は質量分析値と0.05atomic%の範囲内で一致した。
小池 雅人; 佐野 一雄*; 笹井 浩行*
no journal, ,
現在CCDに代表される固体撮像素子の急速な進歩に伴い、フェムト、アト秒に至る高速多波長同時測光の必要性から写真乾板に代って固体撮像素子を用いた「平面結像型分光器」が脚光を浴びている。その代表的なものとして原田らが最初に開発した機械刻線不等間隔溝球面回折格子を用いた平面結像型斜入射分光器があり、筆者らによって平面結像型のホログラフィック回折格子も開発され、多くの研究現場で活躍している。しかしながら、焦点曲線の変曲点付近を近似的に結像平面として用いるため、分解能に自ずと限界があり、数千の分解能を得ることは一般に困難である。また、回折効率の低下が障害となって、数keV領域への拡張も未だに達成されていない。ここでは、軟X線平面結像型ホログラフィック球面回折格子分光器の最近の進歩と平面回折格子を用いた平面結像型分光器の高分解能化,数keV領域への短波長化の試みについて述べる。
寺岡 有殿
no journal, ,
これまでSPring-8の原研軟X線ビームラインの表面化学実験ステーションで行われてきた研究の中から、原研の独自研究であるSi(001)表面の高温酸化におけるSiO分子脱離過程,東北大グループとの協力研究として行われたTi(0001)表面の酸化反応のダイナミクス,阪大グループとの協力研究として行われたCu単結晶の酸化反応ダイナミクスについて、放射光光電子分光法の応用として紹介する。
神門 正城
no journal, ,
高出力レーザーによって励起されるプラズマ航跡場の中では、パラボラ形状をした密な構造を持つ電子密度変調が生成され、ほぼ光速で伝播する。この構造に、反対からレーザーパルスを入射すると、一部が反射される。この構造が、あたかも相対論的な飛翔鏡のように作用し、反射されるレーザー光は、時間的に圧縮され、二重ドップラー効果により周波数が上昇する。講演では、この飛翔鏡方式のイントロダクションと、原理検証実験の結果、及び最新の実験結果について講演を行う。
赤岡 克昭; 丸山 庸一郎; 大場 正規; 宮部 昌文; 音部 治幹; 若井田 育夫
no journal, ,
低除染TRU燃料の非破壊・遠隔分析技術開発において、レーザーブレークダウン発光分光法を用いた元素組成・不純物の分析特性を取得した。母材であるウランの発光スペクトルでは極めて複雑で多数存在するため、発光強度の低い不純物スペクトルとの混在が無視できない。そこで、スペクトルのデコンボリューション法によるスペクトル成分の個別評価法を導入し、分析特性を評価するうえで最も重要となる感度の直線性と検出下限について定量的な評価を実現した。その結果、母材のスペクトル強度との比から、感度の直線性と100ppmオーダーの検出下限が得られた。
大場 正規; 丸山 庸一郎; 赤岡 克昭; 宮部 昌文; 若井田 育夫
no journal, ,
低除染TRU燃料の非破壊・遠隔分析技術開発における、組成,不純物分析法の高感度化を目的として、フェムト秒及びナノ秒レーザーを用いて、酸化ガドリニウムを模擬試料としたダブルパルスレーザーブレークダウン発光特性を測定した。二つのレーザーの照射時間差やアブレーションレーザーの焦点位置を変化させて測定した結果、アブレーション後に空間プラズマを生成する再加熱モードでアブレーションレーザーを試料表面から5mm程度デフォーカスさせた場合に発光強度が最大となることがわかった。このデフォーカス効果を検証するために、共焦点レーザー顕微鏡を用いて試料のアブレーション痕跡から蒸発体積を評価したところ、デフォーカスさせた位置で蒸発体積も最大となり、発光強度と相関があることがわかった。
若井田 育夫; 赤岡 克昭; 大場 正規; 丸山 庸一郎; 宮部 昌文; 音部 治幹; 仁木 秀明*
no journal, ,
持続可能なエネルギー源確保,環境負荷低減性,核拡散抵抗性及び再処理プロセスの簡略化の観点から、次世代高速炉燃料としてマイナーアクチノイドを含有したMOX燃料の使用が有望視されており、燃料の迅速・遠隔・その場分析法の開発が不可欠になっている。そこで原子力機構では、「低除染TRU燃料の非破壊・遠隔分析技術開発」という課題の下でレーザーブレークダウン発光分光法による組成・不純物分析とレーザーアブレーション共鳴分光法による同位体分析とを組合せたレーザー遠隔分析法の研究開発を実施してきた。本報告では、背景と成果について簡単に報告する。レーザーブレークダウン発光分光法では、母材スペクトルとの強度比及びスペクトルのデコンボリューションにより感度の直線性と100ppmオーダーの検出下限を得た。レーザー二重照射法による高感度化では、大気圧中でも従来の100倍近い発光強度を得る条件を見いだした。アブレーション共鳴分光法による同位体分析では、共鳴対象となるアブレーションプルームの運動特性評価により最適条件を見いだし、検出下限で0.3%以上を実現して天然ウラン中に0.7%含まれるUの測定に成功した。
宮部 昌文; 大場 正規; 赤岡 克昭; 丸山 庸一郎; 若井田 育夫
no journal, ,
次世代燃料の遠隔分析技術開発において同位体組成を非接触で分析することを目的としてアブレーション共鳴吸収分光法を用いた同位体分析法の開発を行っている。本手法は、ウランやセリウムの酸化物試料にNd:YAGレーザーのパルス光を照射し、発生したプルームに半導体レーザー光を透過させて同位体スペクトルを得る。高分解能でかつ高感度な分析を実現するため、共鳴対象となるプルームの運動特性に着目し、共鳴分光によりその時間・空間変化や環境依存性を調べた。その結果、プルームの膨張が止まる条件で高分解能と高感度が両立することが明らかになった。
小池 雅人; 今園 孝志; 長谷川 登; 河内 哲哉; 小枝 勝*; 長野 哲也*; 笹井 浩行*; 大上 裕紀*; 米澤 善央*; 倉本 智史*; et al.
no journal, ,
透過型電子顕微鏡(TEM-SXES)と組合せた軟X線発光分光法は物理的性質及び種々の化合物の同定、ナノ領域の化学結合状態を探索するための有望な方法として期待されている。2-4keVの領域まで平面結像型回折格子を用いたTEM-SXESを拡張するため、入射角度固定で、一様に回折効率を向上させることができる多層膜を新たに発明し、ラミナー型溝を有する不等間隔溝回折格子に応用した。絶対回折効率と分解能はそれぞれ、シンクロトロン放射光とKClのターゲットからのレーザー生成プラズマ光を用いて測定した。その結果、2.1から3.8keVで3以上%の高い回折効率とCl-K(2.6keV)のとK-K(3.3keV)の輝線で120以上の高分解能を得た。
青木 裕之
no journal, ,
高分子化合物は非常に長い鎖状の巨大分子であり、その大きな自由度が高分子材料特有の物性を発現する起源となっている。そのため、一つの巨大分子の形態と運動性を理解することは、高分子材料の設計を行う上で重要な問題である。本講演では高分子材料中の分子鎖一つ一つを直接観察可能とする、最新のナノ光学イメージング法の開発について述べる。また単一分子の直接計測に基づく、高分子の基礎物性研究の例を紹介する。
日下 良二
no journal, ,
本発表は2022年度日本分光学会奨励賞受賞の講演である。振動和周波発生分光法を基軸として得た界面の反応に関する講演者の最近の研究成果を総括的に発表する。
山川 紘一郎
no journal, ,
核スピン異性化と水素結合クラスターの形成という、プロトンの関与する量子現象の研究を行った。その場テラヘルツ・赤外吸収分光法と第一原理振動計算を組み合わせることで、水素,水,メタン分子の核スピン異性化速度と、水クラスターの分子間振動モードを決定した。